日本造血細胞移植学会 日本造血細胞移植学会

造血幹細胞移植における晩期死亡と死因の検討

研究の趣旨

造血細胞移植の実態を調査することは、わが国での造血細胞移植医療の適正な発展のために必要です。日本造血細胞移学会(JSHCT)では、平成6年から本邦における造血細胞移植の全国調査を実施して、移植件数と移植成績の把握を行ってきました。平成22年にこの登録データの利用を促進する目的で、造血細胞移植学会内に23のワーキンググループ(WG)が設置され、その一つが「晩期合併症とQOL」WGです。本研究はこのWG内で企画されたものです。

研究の目的

造血幹細胞移植の移植成績の向上、年間移植件数の増加により、長期生存者の数が増え、移植後の晩期合併症が注目されるようになってきています。本研究では、造血幹細胞移植後2年以上、あるいは5年以上生存した長期生存者を対象として、晩期死亡とその死因の詳細な解析を実施し、晩期死亡の実態を明らかにすることをその目的とします。
晩期死亡と死因の詳細な解析は、移植後長期生存者を対象としたスクリーニング・予防医療のありかたを明らかとし、造血細胞移植の成績向上に寄与するものと考えています。

研究の方法

JSHCT全国調査において、既に登録された登録データを用い、後方視的に記述疫学の手法で解析を行います。
第1回の造血幹細胞移植後2年の時点で無再発生存している患者を対象とし、全造血幹細胞移植症例、自家造血幹細胞移植症例、同種造血幹細胞移植症例(骨髄破壊的前処置移植例、強度減弱前処置移植例)における以下の3つの解析を中心に実施します。
1.2年以降の生存率(死亡率)の解析
移植後2年の時点を起算日とし、死亡日をイベントとしたKaplan-Meier生存曲線を描出します。
2.晩期死亡のリスク因子の解析
移植時情報、移植後合併症の中で、晩期死亡に独立して影響を与えるリスク因子の同定をCox比例ハザードモデルを用いて行います。
3.日本人一般人口と比較した死因分類ごとの標準化死亡リスクの算出
解析対象集団の性別、年齢、カレンダー年別の観察人年を算出し、それに日本人の疫学データを掛け合わせることにより期待される死亡頻度を算出します。移植後長期生存されている患者さんにおいて、同年齢・性別・同世代の他の日本人に比べてどの死因が多いのかを検討できる方法です。

研究機関

名古屋大学以外に、全国の造血細胞移植施設のデータを用います。

連絡先

本研究に関する連絡先は以下の通りです。本研究は匿名化データを使用していますので、個人情報漏洩の危険はありません。本研究における移植情報の使用に関し疑問がある方は遠慮なくご連絡下さい。

名古屋大学大学院医学系研究科 造血細胞移植情報管理・生物統計学  熱田由子
〒461-0047 愛知県名古屋市東区大幸南1-1-20
TEL: 052-719-1973
FAX: 052-719-1973