日本造血細胞移植学会 日本造血細胞移植学会

遺伝性疾患の同種移植後の混合キメラ状態・生着不全に対する再移植とドナーリンパ球輸注に関する研究

研究の主旨

 同種移植を施行した遺伝性疾患(原発性免疫不全症、先天性代謝異常、造血障害、血球貪食症候群、ランゲルハンス細胞組織球症など)患者を対象として、移植登録一元管理プログラムのデータベースよりデータ(疾患名、生着、転帰など)を抽出します。さらに混合キメラ状態または生着不全となり、再移植やドナーリンパ球輸注(DLI)を施行した症例を対象として各移植施設に二次調査を行って得られたデータ(再移植、DLI、混合キメラ状態または生着不全の改善状態、GVHD、汎血球減少など)を解析して、再移植とDLIの有効性と安全性に関連するリスク因子を評価し、混合キメラや生着不全に対する至適治療法を明らかにします。

研究の目的

 同種移植を施行した遺伝性疾患患者における混合キメラ状態または生着不全の実態を把握するとともに、混合キメラ状態または生着不全となった患者に対する再移植やDLIの安全性や有効性を評価します。遺伝性疾患への移植領域における混合キメラ状態や生着不全に対する至適治療法が明らかになり、移植成績の改善が期待できます。

研究の方法

 まず、日本造血細胞移植データセンター(JDCHCT)/日本造血細胞移植学会(JSHCT)の保有する全国の移植臨床データのうち、2012年12月までに同種移植を受けた遺伝性疾患患者からデータ疾患名、生着、転帰などのデータを抽出します。このデータは既に匿名化されており、患者さんの氏名やその他個人を特定することが出来る情報は含まれていません。

 次に、混合キメラ状態または生着不全となり、再移植やDLIを施行した症例を対象として二次調査を行います。研究者は対象となる患者さんに移植を行った各施設に二次調査票を送付し、追加データを収集します(およそ110人程度となる見込みです)。その際、研究者は患者さんの氏名など個人を特定する情報を持っていませんので、患者さんを特定できる最低限の情報(施設名・移植日・疾患名・患者性別・移植時年齢など)を伝えることで、それぞれの移植施設内でのみ患者さんを特定することが可能になります。移植施設は、研究者から送られてきた二次調査票に追加データを記入し、研究者に返送します。この際にも、患者さんの氏名など個人を特定する情報は記入せず、受け取った研究者は個人情報を知ること無く、JDCHCTから送られてきた登録データと移植施設から送られてきた追加データをつなぎ合わせることが可能になります。

 こうして得られたデータセットを用いて、研究者は背景因子などを集計し、統計解析を行います。具体的には、χ2乗検定、Fisher検定、Mann-Whitney検定などにより群間比較を行い、cumulative incidence法、Kaplan-Meier法などにより生着率、GVHD発症率、治療関連死亡率、生存率などを求めます。またLog-rank法などでサブグループ毎にそれらを比較したり、competing risk regression analysis、Cox比例ハザードモデルなどを用いて多変量解析を行ったりします。

 この一連の作業の中で、患者さん本人にお願いする作業は何もありません。全ての作業は、JDCHCT/JSHCTや移植施設の担当者および研究者が行います。また、この研究は既に行われた治療の結果を過去に遡って調べる研究であり(後ろ向き研究と言います)、これから行われる治療に介入することは一切ありませんので、この研究が患者さんに危険や不利益を与えることはありません。

二次調査研究計画書 (ダウンロードには学会員番号・パスワードの入力が必要です)
倫理審査結果通知書 (ダウンロードには学会員番号・パスワードの入力が必要です)
研究期間

研究許可日から2017年9月30日まで
データ収集期間は研究許可日から2015年9月30日まで

研究機関

日本造血細胞移植学会 ワーキンググループ(遺伝性疾患 (免疫不全・代謝異常・造血不全など) WG)

 東海大学医学部付属病院細胞移植再生医療科と京都大学医学部附属病院小児科で行います。また、JDCHCT/JSHCT全国調査の移植登録施設のうち、今回の研究対象として抽出された患者さんの移植を実施した施設も共同研究機関ということになります。

連絡先

 本研究に関する連絡先は以下の通りです。本研究は匿名化データを使用していますので、個人情報漏洩の危険はありません。本研究に疑問がある方は遠慮無く御連絡下さい。

平成26年11月11日
京都大学医学部附属病院 小児科 梅田雄嗣
〒606-8507 京都府京都市左京区聖護院川原町54
Tel: 075-751-3290、Fax: 075-752-2361